猫の里親譲渡が一人暮らしの男性に厳しい理由
猫の里親譲渡会に行っても、一人暮らしの男というだけで門前払いをされてしまう。そんな悔しい経験をした事のある男性は多いのではないでしょうか?
俺が一体何をしたんだ?ちょっと理由が理不尽過ぎないか?
そう思われる方も多い事と思います。
でも、そのような条件を付けられてしまった理由には次のような背景があるんです。
猫の里親譲渡会で一人暮らしの男性を断る理由
そもそも、里親譲渡会というだけで、男女問わず結構条件を付けられます。
それは、多頭飼い崩壊や捨てられたなど、人間の勝手で粗悪な環境で生活せざるをなくなった猫などをボランティアで保護、お世話している方々から見た時に、今まで可哀想な環境に居た子に幸せになって欲しいという思いが込められているからです。
今の様に譲渡に関して条件が増えてしまったのは、譲渡後のトラブルが原因となっています。
そのトラブルの為に定められている条件はおおむね次の通りです。
- 一人暮らしでない事
- 未就学児が居ない事(ただし条件によっては要相談)
- 18歳以上で猫を養える収入のある方
- 定期検診・ワクチンなどをしっかり行える方
- 終生猫を可愛がってくれる方
- ペットを飼える住居に住んでいる(理想は一軒家)
- 猫の飼育について家族の同意が得られる方
- 完全室内飼いが出来る方
- 再譲渡・販売・展示・動物実験・虐待などの禁止
- 60歳以上は後見人を立てられる方
- 同棲中のカップルでない事
- 男性でない事
- 固定電話がある事
この他にも譲渡の際は身分証の提出や自宅の間取りや状況などの書類の提出が必要だったり、定期的に成長の様子をメールしたりといった事も必要になってきます。
なんでこんなに条件が多いの?
折角可哀想な子を引き取ってあげたいと思っても条件が厳しすぎて、中々簡単には引き取る事が出来ないと感じる方は多いです。逆にどんな人ならいいの?となりますよね(^^;
気持ちはすごくわかります。
でも、相手側の立場に立った時には相手の立場も分かるんですよね。
一人暮らしだと、飼い主さんに何かあった時に猫がどうなるか心配ですし、それが60歳以上ですと猫は20年以上生きる子もいるので心配は増します。未就学児がいると子供が苦手な猫にとってストレスになる事もあります。
収入が無ければ猫を養う事ができませんし、猫が健康で長生きしてくれるために、定期検診やワクチン、体調不良時の通院は欠かせません。また、病気や事故、不幸な猫が増えるのを防ぐためにも完全室内飼いと去勢避妊手術も大切です。
ペットとして最後まで責任を持って可愛がってくれる方の所に譲りたいのは当然の事ですし、その為にもペットが飼育できる住居は必要ですし家族の同意を得られないと、家族に勝手に捨てられたなんてことも・・・。
再譲渡・販売・展示・動物実験・虐待などは折角保護して里親を探してあげても本末転倒ですね。
同棲中のカップルは分かれた時に猫を捨てる人が多いんだとか。中には、別れた際にどちらが引き取るかをしっかりと契約すれば譲ってもらえることもあるみたいです。結婚してても別れる人は別れるんですけれどね。一応、結婚という法で縛られているという分、いつでもすぐに分かれられる未婚のカップルよりはマシだという事なのでしょう。
あとは男性。これは、里親詐欺で猫を引き取って虐待をしていたのが男性が多いという理由が一つ。そして、仕事柄出張や残業などが心配されるため。みんながみんなそうでない事は譲渡する側も重々承知しているとは思いますが、そういった傾向があるという事と、初めて会う方の人柄を判断するのが非常に困難なため、このような条件になってしまったんだと思います。
固定電話は連絡が取れなくなるのを防ぐためでしょうね。
この他にも独身者は将来結婚した時にパートナーが猫アレルギーや猫嫌いだった場合を考えて断られる場合もあります。
まぁ、こんな感じで様々な条件にはそれに見合った理由があるんです。里親詐欺なんかは、事件としても取り沙汰されていますしね。
まとめ
保護して通院して心のケアまでしてあげて、やっと人間にも慣れて情もうつり、辛い思いをした分幸せになって欲しいというのはボランティアさんからしたら気持ちは痛いほどわかりますね!
ですが、条件については、ただ男性だというだけで門前払いするのではなく、一応話だけでもしてみてお互い納得のいく形で条件を譲り合えたらいいのかな?とは思います。
例えば男性という条件を譲る代わりに、定期的な訪問・報告をして貰うとか、保証人を付けるとかですね。
ですが、この厳しい条件でも里親詐欺が後を絶たないので、難しい問題であることは間違いないです。私たちが出来る事は、まずは生き物と暮らすことを決心したら、何があろうと最後まで責任をもって面倒をみるという事くらいでしょうかね?
取りあえず、一人暮らしの男性が本気で猫を飼いたいなら、里親譲渡会よりは、近所の動物病院や保健所などに連絡をしてみた方が猫ちゃんは見つかりそうです(^^;)
少しずつでも可哀想な猫が減る事を祈るばかりです。